あけましておめでとうございます  

 年頭にあたり、日頃のご厚情に深謝し、皆様方のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

昨年10月には、国の医療事故調査制度の運用開始から、8年となりました。

この制度による報告件数によると、1年間に、人口100万人当たり3人程が医療事故による死亡(予期しない死亡)をしていることになります。本来報告されてしかるべき医療事故であっても、報告されていないケースも少なくないので、実際にはもっと多くの予期しない死亡の例があると思われます。


昨年11月12日には、愛媛県松山市で、市民向けの講演会、テーマは「医療安全を目指して−医療事故による悲しい思いをする人を減らしたい−」が開催されました。(NHK 2023年11月12日のニュース2023年11月14日付愛媛新聞 (掲載許可番号:d20231213-10)
名古屋大学病院では、2002年8月に記者会見で、医療事故について「隠さない、逃げない、ごまかさない」と宣言されましたが、地方では、医療事故で患者が死亡したとしても、公表しようとしない文化が根強く残っていることが感じられました。
講演に参加した方々から「医療被害防止・救済センター」構想の早期実現を求める声がありました。誤ちから学ぶことの大切さと誤ちから学ぼうとする正直・誠実な医師等の医療従事者を許すことの大切さについて共感が広がったと感じました。

12月1日には、神戸で、医療従事者向けの講演会、テーマは「安全で質の高い医療をめざして」が開催されました。講演の中では、医療被害者の「五つの願い 1.原状回復 2.真相究明 3.反省謝罪 4.再発防止 5.損害賠償」をふまえ、医療事故の事例を紹介しつつ、医療事故が発生した時の誠実な取り組み(事故調査をして根本原因を探り、対策を立て、改善を図ること)の大切さを強調しました。アンケート結果等によると、講演を聞いた医療従事者の方々からは概ね良い評価がなされました。
医療事故を防止しつつ、同時に被害者を救済するシステムの構築の必要性は、医療従事者にも、市民の方々にも十分共感していただけるものと思われます。具体化に向けて歩みを進めていきたいと思います。
今後もご支援・ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

          2024年1月1日
                            加 藤 良 夫



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