あけましておめでとうございます  

 年頭にあたり、日頃のご厚情に深謝し、皆様方のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
 2020年10月には医療事故調査制度の運用が開始されてから、満5年が経過しました。 
 医療事故調査・支援センター(一般社団法人日本医療安全評価機構)は、平成27年10月から令和2年9月までの「医療事故調査制度開始5年の動向」をまとめています。
 昨年10月4日には「医療の安全に関する研究会」が、“医療事故被害者の立場から考える「医療の安全」 ―医療事故調査制度満5年を踏まえて―”というテーマのシンポジウムをZoom会議方式で開催しました。
シンポジストとしては、「医療の良心を守る市民の会」代表の永井裕之さん、「医療過誤原告の会」会長の宮脇正和さんをはじめ、医師、ジャーナリスト、弁護士計5名の方がお話をされました。
予期せぬ医療事故で死亡したことは明らかなケースであっても、病院側が「報告すべき医療事故には当たらない」として、医療事故調査・支援センターに報告をしないケースが少なからず存在している実情並びに、医療の場で医療事故から教訓を学び取ろうとする文化が十分には育っていないことなどの、問題点が浮かび上がってきました。
 医療事故ときちんと向き合って医療の向上のために役立てていこうとする前向きな医療機関もある一方で、旧来型の消極的対応をする医療機関もあって、今後この医療事故調査制度をどう育てていくべきかを考える良い機会となりました。
 医療事故調査制度については市民サイドから医療側に積極的に働きかけていく必要性も感じさせられました。そのためにはどのような方法が可能で、有効なのかを具体的に考えていきたいと思っています。
 もちろん、被害者の救済を置き去りにすることはできません。その視点も踏まえた制度作りが必要であると改めて痛感した次第です。
 今後も頑張っていきますので、ご支援・ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。  

                        2021年1月1日    加 藤 良 夫




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