
南山大学法学部教授
弁護士 加藤 良夫
1948 |
名古屋に生れる |
1971 |
中央大学法学部卒業 |
同 |
司法試験合格 |
1972 |
司法研修所入所(26期) |
1974 |
弁護士登録(名古屋弁護士会) |
1977 |
医療事故相談センター開設 |
1981 |
医療を良くする会世話人 |
同 |
名古屋大学医学部病理学教室研究生 |
1984 |
患者の権利宣言(案)起筆委員 |
1986 |
日本弁護士連合会人権擁護委員
(医療と人権部会) |
1989 |
公立春日井小牧看護専門学校
非常勤講師(関係法規) |
1990 |
医療事故情報センター理事長 |
1991 |
患者の権利法をつくる会
常任世話人 |
同 |
名古屋大学医学部非常勤講師
徳島大学医学部非常勤講師
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1993 |
中京大学法学部非常勤講師
(医療と人権) |
同 |
聖隷浜松病院倫理委員会委員 |
1995 |
日本医事法学会理事 |
同 |
社会保険中京看護専門学校
非常勤講師(関係法規) |
同 |
医療の安全に関する研究会
常任理事(事務局長) |
1998 |
静岡県立大学短期大学部
看護学科非常勤講師(生命倫理) |
2000 |
日本弁護士連合会
人権擁護委員会委員長 |
2001 |
愛知大学法学部教授 |
同 |
医療事故情報センター常任理事 |
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私はこれまで27年程、患者側弁護士の立場から医療被害者の救済に取り組んできました。それは医療被害者の救済を阻む「三つの壁」(専門性の壁、密室性の壁、封建制の壁)との闘いの歳月でもありました。
ところで医療被害者は「五つの願い」(原状回復、真相究明、反省謝罪、再発防止、損害賠償)をもっています。その中で一番強いのは、亡くなった人を返して欲しいとか、もとの状態に戻して欲しいという原状回復の願いです。しかし、失われた生命は戻りません。しかも生命・健康は金銭に評価することのできない価値であります。ですから賠償を求める裁判には本質的に限界があります。真相究明、反省謝罪、再発防止という観点からみても、裁判がベストの方法とは言えません。もちろん、警察や検察が医療過誤のケースのすべてを収集し、対策を立てるという役割を担うことが良いとも思われません。
医療被害者を速やかに救済すると共に医療事故の事例から教訓を引き出し、再発防止・医療の質の向上に役立つようなシステムを新たに構築する必要があります。
医療被害防止・救済センター構想を最初にまとめたのは、1997年2月のことです。その年の9月に新聞報道されて以後これまで多くの方々の意見を聞き、私なりに考えながら部分的に改訂を重ねてきました。医師や看護婦の方々を対象とする研修会やシンポジウム等の場でも一つの考えとして提示してきました。医療被害者・市民の方々の集会でも話をしてきました。その結果、この構想の基本の考え方については多くの方の賛同が得られるものと思っています。
現時点でもこの構想が完璧なものとは言えませんが、医療事故防止と被害者救済を図る「第三者機関」を設置する必要性については大方の合意が得られるものと思います。「第三者機関」のイメージを考える際の一つのたたき台としていただければ幸いです。
「医療被害防止・救済センター」の設立を目指す活動母体「医療被害防止・救済システムの実現をめざす会」(仮称)を可能な限りすみやかにスタートさせたいと思っています。その準備のために2001年9月「医療被害防止・救済システムの実現をめざす会」(仮称)の”準備室”を開設しました。準備室の任務は、第一に新しいシステム乃至第三者機関の必要性を広報すること、第二に呼びかけ人、賛同者等の輪を広げていくこと、第三に「めざす会」の準備会の発足に向けて必要な諸活動を展開することです。
なお、「医療事故を防止し、被害者を救済するシステム」については、きっと様々なアイディアが可能だと思われます。大筋このようなものというイメージがないと人々は力を発揮できません。新しい制度を作り上げていこうというのですから、様々な意見があって当たり前です。細かい点の違いを乗り越えて、英智を結集して素晴らしいシステムを共に作り上げていこうではありませんか。 |
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